コロナ禍になり、休業中の店舗や、リモートワークで従業員不在の事務所などを狙った空き巣等の被害が増加。コロナ前の時点でも、警視庁が公表したデータによると空き巣や出店荒らし、事務所荒らし、金庫破りなどが侵入窃盗の手口全体の中でも高い割合を占めており、場所別に見ても全体のうち3割以上は事務所やお店などが被害に遭っているのが見てとれます(参考:警視庁「令和元年中の侵入窃盗の傾向」)。
だからこそ、より適切かつ確実な防犯対策が必要不可欠です。まずは空き巣被害の傾向についてしっかりと知り、それに対してどのような対策を講じればいいのか、詳しく解説していきます。
会社(企業)や店舗が標的になる理由は?
- 無人の時間帯がわかりやすい
夜間や休日など人がいない時間が規則的な場合が多いため、無人の時間帯を狙われてしまいます。 - 大きな音を出しても気づかれにくい
一般住宅と違って多少大きめの物音や足音などがあっても、そもそも周りに聞こえていない、聞こえたとしても不審に思われにくいです。 - 内部の人間による犯行
「敵は身内にあり」という言葉がありますが、社内の人間や退職者、出入り業者など、社内をよく知る人間による犯行も珍しくありません。 - 狙われるものが多い
金品はもちろん、それ以外にも標的になる場所・モノが溢れているのが会社やお店です。詳しくは以下をご覧ください。
空き巣被害に遭う可能性が高い場所・モノ
1.事務所
犯人は一目散に金目のものを狙うため、事務所、特に金庫は真っ先に標的となります。金品だけでなく、パソコンなどの高価な電子機器類が盗まれることも。
2.個人情報・機密情報保管場所
盗まれるものはお金やモノだけではありません。社内の機密情報やお客様からお預かりしている個人情報も今では高い価値がつくため、狙われやすくなっています。
3.レジ・店内商品
お店の場合、標的はもちろんレジです。次に店内の商品(飲食店の場合は材料)が狙われます。特に高価な商品を扱うお店はより注意が必要です。
4.倉庫(資材置場・在庫置場)
工場、倉庫会社、物流会社、メーカーなど、資材や製品・商品を自社に在庫している会社は、それらの保管場所にも注意が必要です。
5.駐車場・車庫
社有車へのイタズラや車上荒らし、また運送会社などはトラックの積荷の盗難、車の燃料や部品(バッテリーやマフラーなど)の盗難、最悪の場合車両ごと盗まれるということもあります。
空き巣に狙われやすいタイミング
先述の通り、会社のオフィスや店舗では無人の日時が規則的なため、そのタイミングを狙われています。特に危険なのが従業員の不在が長い長期休暇期間。時間帯では夜間。
犯人は日頃から犯行現場の下見を入念に行っています。いつ、どの時期・どの曜日・どの時間帯に人がいなくなるのか計算し、そのタイミングを狙って計画的に犯行を進めているのです。また建設現場や工事現場においては、工事を一時中断しているタイミングで盗難の被害に遭うというケースも発生しています。
会社における空き巣対策
ドア・窓など侵入口の強化
補助錠を取り付け二重ロックにする、防犯フィルムを貼る・防犯ガラスにする、窓に面格子を取り付ける、シャッターを設置するなど、侵入口であるドア・窓を壊されにくい丈夫な構造や素材にすることで物理的に侵入できにくくします。
敷地外周の強化
工場や倉庫会社など自社の敷地を持っている会社は、忍び返しや有刺鉄線が付いたフェンス・柵・コンクリート塀等で敷地外周を囲み、侵入しにくくすることが重要です。
社内ルール強化(日頃からの心がけ・習慣化)
内部の人間や内通者による犯行を防ぐには、金庫に現金などを入れない、クリアデスクの徹底(機密情報類の定位置管理)など、社内ルールを定めた上で日頃からの心がけ・習慣化が大切です。逆にこれらが日頃からずさんだと、そこをつけこまれて被害に遭う可能性があります。
守衛や警備員の常時配置
多少コストはかかってしまいますが、守衛や警備員を常時配置することで無人の時間帯ができないことがポイントです。人がいない時間帯が最も狙われやすいため、逆に常に誰かいるというだけで標的になりにくくなるでしょう。
防犯カメラの設置
防犯カメラ設置の一番の目的は、犯罪者へ心理的に働きかけ犯罪を未然に防ぐ抑止効果を生むことです。捕まらないためにはどうしても見られたくないというのが犯人の心理ですので、防犯カメラが設置してある場所は標的から外れる可能が高いと言えます。
もし被害に遭ったら
どれだけ対策していても、100%被害に遭わないとは言い切れません。どんな手を使ってでも侵入し、捕まりさえしなければ(逃げ切れれば)いいというのが犯人の考えです。多少手荒な手を使ったり、頭のいい犯人は事前に“防犯対策の対策”を念入りに計画したりと、あらゆる防犯対策をかいくぐって侵入してきます。
ではもし被害に遭ってしまった場合どうするか。まずは落ち着いて警察へ連絡し、指示を仰ぐようにしましょう。現場に重要な手掛かりが残っている可能性もあるため、警察の指示があるまで下手にその場をいじらないことが大切です。ちなみに、犯人逮捕・操作の鍵を握るのが防犯カメラの映像です。防犯カメラは侵入を抑止することに加え、万が一の際には犯人捜査の手掛かりとしても非常に大きな力を発揮します。実際、防犯カメラの映像が決定的証拠となり犯人逮捕に至るケースは少なくありません。
また、お客様に関わる個人情報・機密情報が盗まれた際は、初動対応が重要です。例えば、判断を誤って情報流出を隠蔽しようとお客様への連絡を怠った場合、事件が明るみになった時にはお客様からの信用は地に落ち、それこそ二次被害となってしまいます。
いざという時に冷静に落ち着いて行動できるよう、万が一のリスクを想定しどう対応するかマニュアル化し、会社全体ですり合わせしておくことが重要です。
まとめ
要点をまとめると、一つ目は被害に遭うリスクを把握・想定し、侵入させない・犯行を未然に防ぐための対策を講じること。侵入防止の対策は多いに越したことはありません。
二つ目は、万が一被害にあった場合のリスクを想定し、事前にどう対応するかをマニュアル化しておくこと。犯人特定の手掛かりをできるだけ多く残すことも重要です。その上で犯人探しは基本的に警察に任せるようにしましょう。
侵入抑止、犯人特定の二役を担う防犯カメラの存在は大きく、事務所荒らしなどの空き巣対策には
防犯カメラの設置が非常に有効です。そういった意味で、まずは最低限の対策として防犯カメラの設置だけをやってみてもいいかもしれません。どんな防犯カメラをどう設置するか。失敗しない・後悔しない対策を行うには、ぜひ一度プロへご相談ください。
従業員と会社の資産を守り、安全にかつ安心して事業を運営し続けられるよう、一度じっくりと空き巣対策を検討してみませんか。