防犯カメラ設置の最も大きな目的は、その名の通りなによりまず防犯。そしてもう一つの大きな目的は監視・検証です。この監視・検証において、映像の画質(画素数)が大きく関わってきます。設置の目的と用途に見合った画質のカメラを導入することが大切です。
そこでこの記事では、防犯カメラ(監視カメラ)の画質・画素数について、また状況や環境、用途に応じた画素数の目安をご紹介します。
防犯カメラの種類と画素数の違い
防犯カメラを機能・性能面で見たとき、大きく分けて同軸ケーブルを使用する『アナログカメラ(同軸カメラ)』とLANケーブルを使用する『ネットワークカメラ』があります。いくつか違いがありますが、その一つが画素数(画質)の違いです。基本的にネットワークカメラの方が画素数が高く、綺麗な画質で映像を見ることができます。4K (約800万画素)から最大8K(約1,600万画素)にも対応している、高画質がウリのカメラです。
では、アナログカメラは画質が悪いのかと言うとそうではなく、最近はアナログハイビジョン(AHD)カメラという高画質(フルハイビジョン)対応のアナログカメラも登場し、解像度1920×1080のモニターにも対応し、アナログでも200〜500万画素のフルハイビジョンクラスの画質で見ることができるようになりました。
※HD-SDIカメラもフルハイビジョンに対応している規格ですが、この規格は放送用としての用途が主で、価格も高価なためAHDの方が防犯カメラでは多く採用されています。
画素数とモニターの関係性
4K放送のテレビ番組や4K配信のYouTubeなどを、4Kに対応していないテレビやスマホ・PCで見ても4K画質では表示されないように、4K対応の防犯カメラ映像を鮮明に映すには、同じ画素数のスペックを搭載した専用モニターを設置しなければなりません。
用途や状況に応じた画素数の目安
現在、一般的には100万〜400万画素数の防犯カメラが多く出回っています。ではいざ防犯カメラ(監視カメラ)を導入しようとする場合、どのくらいの画質があればいいのか。その目安について詳しくご説明していきます。
100万画素
ハイビジョンクラスで、画質は低い方です。人の動き程度なら充分確認できますが、ピンポイントで拡大して見たい場合や、顔の識別も必要な場合はもっと画質を上げる必要があるでしょう。現在は100万画素のカメラはほぼ出回っておらず、監視・検証の観点からはあまりおすすめはできません。
200万画素
フルハイビジョンクラスで一般的な画質。部分的に拡大しても粗くなりにくくしっかり確認できるため、特別な用途でもない限りはこくらいの画質があれば充分でしょう。顔の識別はもちろん、ある程度までなら製品・商品の品番確認、車のナンバー確認なども可能です。
400万〜500万画素
画質は高い方で、200万画素と比較しても明らかに綺麗な映像になります。屋外用カメラで車のナンバーをしっかりと映したり、また工場等で製品・商品に欠損がないか監視・記録したい場合や、作業にミスがないか手元の部分までしっかり映したい場合など、検証・確認の精度を高くする必要がある際に求められる画素数です。
800万画素以上(4K・8K)
いわゆる4Kや8Kといった非常に鮮明で綺麗な画質です。上記400〜500万画素を用いるシチュエーションでより鮮明に映したい、夜間の赤外線の映像もできるだけ鮮明に映したい場合などに活躍する画素数です。
ここまでくると、防犯や監視といった用途に加え、映像を使ったエンターテインメントやプロモーションなどの用途でも利用されています。例えば、景色や風景をYouTubeでライブ配信したい場合は、ネットワーク対応の高画質監視カメラがおすすすめです。
【備考】安すぎる4K・8K対応の防犯カメラ・録画機(レコーダー)には注意!
今現在、4K・8K対応の防犯カメラは多く製造されています。その一方で、カメラの進化に録画機(レコーダー)側の性能・処理能力が追い付いていないのが現状です。
なぜかと言うと、4K・8Kクラスの高画質映像は、24時間365日常にCPUがフル回転で画像処理をし続けなければならないほど、録画装置側での処理が極めて大変。当然通常のレコーダーでは処理しきれず装置に大きな負荷がかかってしまうため、4K・8Kに対応したレコーダーが必要になるのですが、今のところそう多くなく、値段もかなり高めです。
4K・8Kをウリにした安価なカメラもありはしますが、そのスペックや耐久性等を考慮すると、プロとしてはあまりおすすめできるものではありません。4K・8Kのカメラを選ばれる際は、レコーダーを含め充分に検討した上で購入するか、一度専門業者へ相談するようにしましょう。
まとめ
防犯カメラ(監視カメラ)の映像は、必要最低限の確認ができるものでなければなりません。安いからと低画質のカメラを購入し、いざ検証の際に肝心なところが確認できないとあっては設置の意味が半減してしまいます。
最近では、防犯カメラ含め電子機器全体のスペックが向上しているため、低価格で画質が高いハイコスパ製品も増えてきました。上記の通り、どこまでの画質を求めるかは用途や状況により異なります。1台1台の防犯カメラの画質を高くするより、その分のコストで台数を増やすという選択肢もありますし、コストをかけてでも高画質でなければならない場合など様々です。
目的に応じてどれくらいの画素数が必要か。ご自身での判断が難しい場合は、一度プロの業者へご相談してみてください。ちなみに弊社では基本的に220万画素以上のカメラをご提案しておりますが、無駄に高画質のカメラを売りつけるようなことはしておりません。。
お客様のニーズや目的を踏まえ、最適な画質のアドバイスとご提案をさせていただきますので、お気軽にご相談ください!